自分のことを後回しにしてしまう…人のために頑張ってしまう心を整える方法

「本当は少し休みたい」「もっと自分を大切にしたい」と思っていても、誰かの頼みに断れず、気づけばまた自分のことを後回しにしている――。

そんな日々が続くと、心の中に小さな疲れやモヤモヤが積み重なり、「このままでいいのかな…」と感じることがあるのではないでしょうか。

この記事では、心理カウンセラーの視点から、「なぜ自分のことを後回しにしてしまうのか?」という背景を紐解きながら、やさしく自分を取り戻していくためのヒントをお伝えします。

もし、あなたが今、「自分のことは後回し」「でももう少し、自分にやさしくなりたい」と思っているなら、きっとこの文章が心の支えになってくれるはずです。

自分のことを後回しにしてしまう人の特徴とは?

自分を後回しにしがちな人には、いくつか共通した傾向があります。

それは、

  • 責任感が強い
  • 相手の気持ちに敏感
  • 迷惑をかけたくないという思いが強い
  • 肯定感が低く、自分のニーズに鈍感になっている

といった特徴です。

周囲から「優しいね」「気が利くね」と言われることが多く、一見、すてきな性格に思えるかもしれません。

しかし、その裏側には「自分さえ我慢すればいい」「自分の気持ちよりも、まずは相手を優先しないといけない」という無意識の思い込みが隠れていることも少なくありません。

このような状態が続くと、知らず知らずのうちに心のエネルギーを消耗してしまいます。

「後回しぐせ」はどこから生まれるのか?

では、どうして私たちは「自分のことを後回し」にしてしまうのでしょうか?

実はそこには、幼少期の経験や育った環境、身近な人との関係性が大きく関わっていることがあります。

たとえば、

  • 小さい頃、親の顔色を伺いながら過ごしていた
  • いい子でいないと褒められなかった
  • 頑張らないと認められないと感じていた

そんな過去の体験が、「人に合わせないと居場所がない」「自分を優先すると嫌われるかもしれない」といった思いを作り上げ、自分の感情や欲求を抑える癖に繋がっているのです。

こうした背景を理解することは、無意識の行動パターンを見直す第一歩になります。

「自分を優先する=わがまま」ではない

ここで大切なのは、「自分を大切にすること」と「わがまま」は違う、ということです。

自分を優先するというのは、「本当はどうしたいか?」という内側の声に耳を傾け、必要なときに「ノー」と言う勇気を持つこと。

それは決して、他人を傷つけたり無視することではありません。

むしろ、自分を丁寧に扱えるようになると、他人にもより健全に優しさを向けることができるようになります。

つまり、「自分を優先する力」は、人間関係をよくするための土台でもあるのです。

少しずつ「自分を後回しにしない」練習

では、具体的にどんなことから始めればいいのでしょうか?

大切なのは、日常の中でほんの少しずつ「自分の気持ちを後回しにしない練習」をしていくことです。

たとえばこんな風に。

  • 疲れたと思ったら、5分だけでも座って深呼吸してみる
  • 頼まれごとにすぐ「いいよ」と言う前に、1秒だけ考えてみる
  • 「今日は何がしたい?」と自分に聞いてみる

これらはとてもシンプルですが、自分と向き合うための大切なステップです。

「私はどうしたいのか」「私は何を感じているのか」――そう問いかける時間が、あなたの感情のセンサーを少しずつ取り戻してくれるでしょう。

「自分を後回しにしない」ためのマインドセット

自分を優先することへの罪悪感や不安をやわらげるためには、日々の「考え方の癖」を見直すことも大切です。

たとえば、

  • 自分が無理をしないことも、誰かのためになる
  • 人と違っていい。私は私でいい
  • NOと言える自分は、信頼できる自分

そんな風に、少しずつ自分の内側にあたたかな言葉をかけてあげましょう。

自分に対する態度が変わっていくと自然と周囲との関係性も変わり始めます。

まとめ:あなたの気持ちも、大切にしていい

人にやさしくすることは素晴らしいことです。

でも、同じくらい「自分にやさしくすること」も大切なこと。

誰かのために頑張るあなたが、まず自分の気持ちを大切にできたとき――本当の意味で、人にもあたたかく寄り添える力が育っていきます。

無理をしてまで合わせなくても大丈夫です。

ほんの少しずつ、「自分の本音」と手をつなぐ練習をしていきましょう。

あなたは、あなたを大事にしていいのです。