上司からのパワハラがしんどい・つらい・怖い…どう対処すれば

毎日会社に行くのが怖い、上司の顔を見るだけで体が震える、パワハラがきつすぎてもう限界かも…

このような思いを抱えている方は非常に多く、パワハラに悩む方は年々増えています。

この記事では、パワハラとは何か、どんな対処法があるのか、そして心を守るためのヒントをお伝えします。

パワハラって何?自分が受けているのはパワハラなの?

パワハラ(パワーハラスメント)とは、職場での優位な立場を利用した、精神的・身体的な嫌がらせです。

2020年6月からは、パワハラ防止法も施行され、企業にはパワハラ対策が義務付けられています。

でも「これってパワハラなの?それとも普通の指導?」と、悩む方も多いでしょう。

以下のような行為は、パワハラにあたる可能性が高いです:

  • 大声で怒鳴られる、皆の前で恥をかかされる
  • 無視される、仲間はずれにされる
  • 明らかに能力を超えた仕事を押し付けられる
  • 逆に、仕事を与えられず、長時間何もせずに座らされる
  • 「バカ」「使えない」などの人格を否定する言葉を投げかけられる
  • 必要以上に監視される、プライベートに干渉される
  • 身体的な暴力を受ける

「でも、これは指導の一環かも…」と思っていませんか?

指導とパワハラの大きな違いは「相手の成長を目的としているか」という点です。

あなたの成長ではなく、ただ相手の感情のはけ口になっているなら、それはパワハラの可能性が高いでしょう。

パワハラが心と体に与える影響

パワハラは、単なる「嫌な出来事」ではありません。心と体に深刻な影響を与えます。

多くの方が次のような症状を経験します:

  • 不安や恐怖で眠れない、食欲がなくなる
  • 会社に行く直前に頭痛や吐き気、動悸がする
  • 自分を責めてしまう、自信をなくす
  • うつ状態になる
  • パニック発作が起きる

「最近、体調が悪いな」と感じる方は、パワハラの影響かもしれません。

心と体は密接につながっています。心の傷は、必ず体にも現れるのです。

パワハラに悩むあなたに知ってほしい6つの対処法

パワハラに苦しむ方々に、私がカウンセリングでお伝えしている対処法をご紹介します。

状況によって、試せるものから始めてみてください。

記録を取る

まずは、いつ、どこで、誰が、何をしたのか、詳しく記録しましょう。

できれば、録音や証拠となるメールなども残しておくと良いでしょう。これは「自分の記憶が正しいのか」を確認するためにも役立ちます。

パワハラを受けると、自分の記憶や判断を疑ってしまうことがあります。これは「ガスライティング」と呼ばれる心理的操作の影響かもしれません。

記録を取ることで、自分の体験を客観的に見ることができます。

日記のように、その日に感じた気持ちも書いておくと良いでしょう。後々、精神的苦痛の証拠になることもあります。

信頼できる人に相談する

一人で抱え込まないことが大切です。

信頼できる同僚、友人、家族に話を聞いてもらいましょう。話すだけでも、心が軽くなることがあります。

また、社内であれば:

  • 人事部や相談窓口
  • 産業医や保健師
  • 労働組合

社外であれば:

  • 労働基準監督署の総合労働相談コーナー
  • 地域の労働相談窓口
  • メンタルヘルスの専門家(カウンセラーや心療内科医)

「相談したら余計にひどくなるのでは?」と心配する方もいますが、多くの場合、早めの相談が事態の改善につながります。

距離を取る方法を見つける

可能であれば、パワハラをする上司との接触を減らす工夫をしましょう。

  • 別のプロジェクトに異動できないか相談する
  • 席を移動できないか提案する
  • 可能なら、テレワークの日を増やす
  • 休憩時間をずらす

物理的な距離が取れない場合は、心理的な距離の取り方も大切です。

「これは相手の問題であって、自分の価値を決めるものではない」と自分に言い聞かせましょう。

自分を責めない

パワハラを受けると「自分に問題があるから」と思いがちです。でも、暴力やハラスメントは、どんな理由があっても正当化されません。

「もっとうまくやれば良かった」「自分が悪いから怒られる」という考えは、パワハラの影響で生まれた思考パターンかもしれません。

自分を責める気持ちが強いときは、「もし大切な友人がこの状況にいたら、私は何と言うだろう?」と考えてみましょう。

きっと「あなたは悪くない」と伝えるはずです。その優しさを自分自身にも向けてください。

法的手段も選択肢の一つ

状況が改善しない場合は、法的な手段を検討することも大切です。

  • 労働基準監督署への相談
  • 労働審判の申し立て
  • 弁護士への相談

「そこまでするのは大げさでは?」と躊躇する気持ちも分かります。でも、あなたの権利と健康を守ることは決して大げさなことではありません。

まずは無料の法律相談から始めてみるのも良いでしょう。多くの自治体や法テラスで無料相談を実施しています。

心と体のケアを最優先に

何より大切なのは、あなた自身の心と体です。以下のようなセルフケアを心がけましょう:

  • 十分な睡眠と栄養を取る
  • 好きな音楽を聴く、映画を見るなど、リラックスする時間を作る
  • 軽い運動や散歩でストレスを発散する
  • 深呼吸やマインドフルネスの実践
  • 「今日良かったこと」を3つ書き出す習慣をつける

つらい状況が続くと、「自分なんてどうでもいい」と思いがちですが、あなたの心と体は何よりも大切なものです。

小さなことでも、自分をいたわる行動を増やしていきましょう。

パワハラに立ち向かうための心構え

パワハラと闘うのは簡単ではありません。

でも、次のことを覚えておいてください。

あなたは一人じゃない

パワハラに悩んでいるのは、あなただけではありません。多くの人が同じ悩みを抱え、そして乗り越えてきました。

助けを求めることは、弱さではなく勇気ある行動です。

「我慢」は解決にならない

「もう少し我慢すれば状況が変わるかも」と思うことがあるかもしれませんが、残念ながらパワハラは時間が解決してくれるものではありません。

むしろ、放置すればするほど状況は悪化することが多いのです。

あなたの感情は正当なもの

「こんなことで落ち込むなんて弱い」「もっと耐えなきゃ」と自分を責めていませんか?

あなたが感じている怒り、悲しみ、恐怖は、すべて正当な感情です。自分の感情を認め、大切にしましょう。

逃げることも勇気

「逃げたら負けだ」と思う方もいるでしょう。

しかし、自分の健康と未来のために環境を変えることは、決して敗北ではありません。

むしろ、自分を大切にする勇気ある選択です。

「今日から」できる小さな一歩

この記事を読んでくださったあなたに、今日から始められる小さな一歩をいくつか提案します。

  • パワハラの記録ノートを用意する
  • 一人だけでも信頼できる人に状況を話す
  • 10分だけでも、自分のために使う時間を作る
  • 深呼吸やストレッチで体の緊張をほぐす
  • 労働相談窓口の電話番号を調べておく

どんなに小さなことでも、行動を起こすことで状況は少しずつ変わります。

あなたの未来は、パワハラで決まるものではない

今は毎日がつらく、未来が見えないかもしれません。でも、この状況は永遠に続くわけではありません。

パワハラを乗り越えた多くの方が、「あの経験があったからこそ、今の自分がある」と語ります。つらい経験を通して、自分の強さや価値観に気づくこともあるのです。

あなたには、パワハラのない、健やかな職場環境で働く権利があります。そして、そういう環境は必ず存在しています。

今日この記事を読んだことが、あなたの小さな一歩になりますように。そして、一日も早く笑顔を取り戻せることを心から願っています。

あなたは一人ではありません。必ず道は開けます。