褒め言葉がプレッシャーに…褒められるのが苦手で怖い

人から褒められると、うれしい。それがごく自然な反応だと、誰もが思っています。

でも中には、褒められると緊張してしまったり、なぜか申し訳ない気持ちになったり、心のどこかで「怖い」と感じてしまう人もいます。

それは決しておかしなことではありません。

実は、「褒められるのが苦手」「褒め言葉がプレッシャーに感じる」という人は少なくないのです。

今回はそんなあなたの気持ちにそっと寄り添いながら、なぜそう感じてしまうのか、そしてどう向き合えばいいのかを一緒に探っていきましょう。

なぜ褒められると「怖い」と感じるのか?

  • 「ありがとう」と笑顔で受け取ることが難しい。
  • 「すごいね」と言われるたび、心の中でモヤモヤが広がる。

そんなふうに感じてしまう背景には、いくつかの心理的要因があります。

期待されることへのプレッシャー

褒められる=「次も同じようにやってくれるよね?」という無言の期待。

これが、心の負担になってしまうケースがあります。

「失敗したらガッカリされるかも」「今の自分を保てないかもしれない」と感じてしまうと、褒め言葉はプレッシャーに変わります。

自己肯定感の低さ

  • 自分なんて褒められるような人間じゃない
  • こんなの偶然できただけ

こういった思考を持つ人にとって、褒め言葉は「自分と向き合うきっかけ」ではなく「自分の欠点を見せつけられる」ような感覚になることがあります。

3. 過去の経験が影を落としている

子どもの頃に、褒められた後に「だからもっと頑張って」と期待をかけられすぎた。あるいは、褒められた後に裏切られたような経験がある。

こういった過去の体験は、大人になっても心の奥で「褒められる=警戒すべきサイン」と認識させてしまうことがあります。

「褒められるのが苦手」な自分を責めなくていい

まず伝えたいのは、「褒められるのが怖い」「苦手だ」と感じることは、決して恥ずかしいことではないということです。

感じ方は人それぞれ。

誰かの「嬉しい」が、あなたにとっては「不安」や「戸惑い」になることも、まったく自然なことなのです。

むしろ、そうやって自分の心の動きに気づけるあなたは、とても繊細で、優しい感受性を持った人です。

その優しさを、自分自身にも向けてあげてください。

どうすれば「褒め言葉」に押しつぶされずにすむのか?

では、褒められるたびに感じてしまう不安やプレッシャーと、どう向き合えばいいのでしょうか。

いくつかの具体的な対処法を紹介します。

「今の自分」でOKだと受け止める練習

「褒め=評価」ではなく、「今この瞬間のあなたを認めた言葉」だと捉えるようにしてみましょう。

たとえば、「プレゼンよかったね」と言われたら、「そう感じてくれたんだな、ありがとう」と、その場の感想として素直に受け取ってみる。

未来の自分に背負わせず、「今」の出来事として受け取ることが、心を軽くする第一歩です。

自分の感情を「否定しない」

「またプレッシャー感じちゃったダメだなあ」と責める必要はありません。

むしろ、「プレッシャー感じるのも自然なこと」と、自分の反応を認めてあげることが大切です。

感情は、感じた時点ですでに「存在」しています。

それを否定せず、そっと抱きしめるような意識を持つことで、自分の心に安心感が生まれます。

小さな「受け取り練習」を重ねていく

いきなり「ありがとう」と言うのが難しい場合は、「そう言ってもらえて、ちょっと嬉しいです」など、自分の言いやすい言葉から始めてみましょう。

褒められたときに、深呼吸をして「受け止める間」を作るのも効果的です。

それでも苦しいときは、誰かに話してみよう

どうしても褒め言葉が重くのしかかってしまう。

褒められる場面を避けてしまう。

そんなときは、一人で抱え込まず、信頼できる誰かに「実は…」と話してみてください。

心理カウンセラーや信頼できる友人、あるいは日記に書き出すのでも構いません。

言葉にしてみることで、自分の心がどう反応しているのかを客観的に見つめられるようになります。

「話すこと」は、「放すこと」にもつながっていきます。

最後に:あなたは、もう十分にがんばっている

褒められても素直に喜べない。期待されることが怖い。そんな自分を「変えなきゃ」と焦る必要はありません。

大切なのは、まずその気持ちを「あるもの」として受け入れてあげること。そして、少しずつでも「受け取る練習」をしていくことです。

心は、時間をかけて育っていくものです。

あなたのペースで、あなたらしく進めばいいのです。

「怖い」と感じるあなたは、決して弱いわけでも、間違っているわけでもありません。

あなたの心は、ただ少し繊細で、やさしすぎるだけ。それは、決して「欠点」なんかではなく、あなたの大切な「個性」なのです。

どうかそのままのあなたで、大丈夫だということを、少しずつ実感できますように。