「やりたいことが分からない」…そんなモヤモヤを抱えたまま、日々を過ごしている人は意外とたくさんいます。
仕事はしているけど充実感がない。 何かを始めたいけど、何を選んだらいいのか分からない。
SNSではキラキラした他人の人生が流れていく中で、自分だけが置き去りにされたような気持ちになる。
この記事では、やりたいことが見つからない理由や、その背景にある心の動き、そして見つけるためのヒントについて、心理カウンセラーの視点からやさしく解説していきます。
焦らず、少しずつ。あなたのペースで大丈夫です。
「やりたいことがわからない」はダメなことではない
大人になると、現実的な選択肢や制約の中で「できること」ばかりを考えてしまい、「本当にやりたいこと」は心の奥に押し込まれがちです。
また、子どもの頃から「正解を選ばなければいけない」と刷り込まれてきた人ほど、失敗が怖くて一歩を踏み出すのが難しくなります。
やりたいことが分からないのは、あなたがダメだからではなく、これまでの環境や思い込みの積み重ねによるものなのです。
なぜ「本当にやりたいこと」が分からなくなるのか?
他人の価値観に合わせてきたから
親、先生、上司、恋人──ずっと「こうすべき」と言われてきた環境で育つと、自分の本音が分からなくなってしまうことがあります。
「いい学校に行くのが正解」「安定した職に就くべき」といった“正解”を選び続けてきた人ほど、自分の心の声に耳を傾ける習慣が育ちにくくなるのです。
自信がなく、自分の選択に不安を感じるから
「どうせ私には無理」「やっても続かないかも」
そう思ってしまうと、興味があることがあっても、踏み出す前にあきらめてしまいます。
やりたいことが見えてきても、「それをやってどうなるの?」と自分にブレーキをかけてしまうパターンも多く見られます。
SNSなどの影響で「特別な何か」を求めすぎてしまう
SNSでは夢を叶えた人、好きなことを仕事にしている人の姿がたくさん見えます。
それを見ているうちに、「やりたいこと=キラキラしたものじゃなきゃいけない」という思い込みが強くなってしまうことがあります。
でも、やりたいことはもっと地味で身近なことでもいいのです。
本当にやりたいことを見つけるためのヒント
「好きだったこと」を思い出してみる
子どもの頃に夢中になっていたこと、大人になってからふと楽しかったと思えた瞬間──
そうした記憶の中に、やりたいことのヒントが隠れていることがあります。
「絵を描くのが好きだった」「誰かの話を聞くのが楽しかった」
些細なことでも構いません。思い出すことから始めましょう。
「嫌いじゃないこと」を探してみる
「好きなことが分からない」という人は、「嫌いじゃないこと」を基準にしてみるのもおすすめです。
完全に情熱を注げることでなくても、少しでも前向きに取り組めるものに目を向けてみてください。
小さな行動を積み重ねていく
考えているだけでは、答えはなかなか見えてきません。
まずは、気になるイベントに参加してみる、短期の講座に申し込んでみる、関連する本を読んでみる──
小さな一歩を踏み出すことが、やりたいことにつながっていくことはとても多いのです。
他人と比べない
誰かの人生と比べて「私は何もできていない」と感じてしまうと、自分が本当に求めているものが見えづらくなります。
人にはそれぞれのタイミングがあります。
あなただけのペースで、自分らしい選択をして大丈夫です。
自分の気持ちを確かめるための問いかけ
やりたいことを見つけるためには、自分との対話が欠かせません。
次のような問いを、ノートに書いて考えてみるのもおすすめです。
- 最近、時間を忘れて夢中になったことは?
- もし何でもできるとしたら、何をやってみたい?
- 人から褒められてうれしかったことは?
- 子どもの頃の夢は?
こうした問いに向き合うことで、あなたの中に眠っている「やりたいこと」のタネが見えてくるかもしれません。
「やりたいこと」は、探すというより「育てていくもの」
やりたいことは、最初から明確に見えるものではありません。
むしろ、「これかな?」という小さな気づきを大切にして、育てていくようなものです。
焦らなくていいんです。 迷いながらでもいいんです。
あなたの心がほんの少しでも動く瞬間を丁寧に拾い集めてみてください。
今日のあなたの一歩が、未来のあなたにつながっています。
あなたが本当にやりたいことに出会えますように。
そして、そのとき「これが自分の道だ」と思える心の準備が、少しずつ整っていきますように。