SNSを眺めていると、同級生の活躍、友人の結婚や出産、仕事で成功している人たちの姿が次々と目に飛び込んできます。
それを見たあと、ふと我に返って「私、何もないな……」と、ひとり取り残されたような気持ちになってしまうことはありませんか?
まるで、自分だけが何者にもなれていないように感じてしまって、胸がキュッと苦しくなる。
でも、そんなふうに感じてしまうあなたは、決しておかしくありません。
誰かの輝きに心が押されそうになるとき、そこには深い理由があります。
この記事では、心理カウンセラーの視点から「他人の人生がまぶしく見えて、自分には何もないように思える気持ち」の正体を一緒に見つめ、少しずつ楽になるヒントをお届けします。
焦らなくて大丈夫。
今のあなたにそっと寄り添いながら、読み進めてみてくださいね。
どうして人の人生ばかりが輝いて見えるのか
SNSを開くと、楽しそうな友達、活躍している同級生、夢を叶えたインフルエンサー――そんな投稿が次々に目に入ってきます。
一方で自分は、思うように進んでいない。やりたいことも見つからない。何者でもないまま、時間だけが過ぎていく。
そんな焦りや不安を抱えている人は、実はとても多いのです。
「自分は何もない」「この先、何かになれる気がしない」そんなふうに感じているとき、私たちは心の中で何が起きているのでしょうか。
比較によって生まれる「見えない劣等感」
他人の人生が輝いて見えるのは、比較する相手の「一部」しか見えていないからです。
SNSや人づてに入ってくる情報の多くは、成功や楽しさ、美しさ、幸せといった「見せたい部分」ばかり。
本当は苦しさや葛藤もあるはずなのに、それは見えない。だから「自分だけが遅れている」「うまくいっていない」と感じてしまうのです。
人は本来、一人ひとり異なるリズムで生きていく存在です。けれど、それを忘れてしまうほど、他人の成功はまぶしく見えます。
そして、その輝きと自分を比べて「何も持っていない」と思い込んでしまうのです。
「自分には何もない」と感じる背景には、心の疲れがある
「何もない」と感じる時、心が疲れているサインであることも多いです。
疲れていると、どうしてもネガティブな考えに引っ張られやすくなります。
「やる気が出ない」「何かを始めようとしても手がつかない」「好きなことが分からない」こうした状態が続くと、「だから自分には価値がないんだ」と結論づけてしまいがちです。
でも、それは事実ではなく疲れた心が見せているフィルターかもしれません。
心が疲れたときに必要なのは、「変わろう」とすることではない
落ち込んでいるとき、焦って何かを変えようとすると、さらに自分を追い詰めてしまうことがあります。
「動けない自分はダメだ」「もっと頑張らないと」そう思えば思うほど、心は固くなり、身動きが取れなくなってしまいます。
そんなときに大切なのは、「変わろう」とすることではなく、「今の自分をそのまま受け止める」こと。
「動けないのは、ちゃんと理由があるんだな」「誰かと同じじゃなくても、自分のペースでいいんだ」そうやって自分にやさしくすることが、回復の一歩です。
「今あるもの」に気づく練習をしてみる
「自分には何もない」と感じるときほど、「すでに持っているもの」に目を向けることが大切です。
たとえば――
- 気のおけない友人との会話
- 自分が好きな風景
- 一日を無事に終えられたという事実
- 誰かの言葉で少し笑えたこと
それは小さなことかもしれません。
でも、それらを一つひとつ思い出してみると、「何もない」わけではないことに気づけます。
「他人の光」に目を奪われすぎないようにするには
誰かの人生が輝いて見えるとき、それに刺激を受けることは決して悪いことではありません。
でも、それが「自分を否定する材料」になってしまうと、苦しくなります。
だからこそ、自分に問いかけてみてください。
「私は本当に、その人のようになりたいの?」「それとも、今の自分にはちょっと違う道が合っている?」
誰かの光は、その人がその人の道を歩いてきた結果です。
あなたも、あなたの道で、少しずつ光を見つけていけばいいのです。
解決のヒント:未来は「今日の自分の一歩」から始まる
「自分には何もない」そう感じているとき、未来も真っ暗に見えてしまうかもしれません。
でも、未来というのは、今日この瞬間からつながっているもの。
だから、今できるほんの小さな一歩が、確かに未来を変えていきます。
たとえば――
- 気になっていた本を開いてみる
- 散歩に出て空を見上げる
- やってみたいなと思っていたことを検索してみる
そんな小さな行動が、「何もない」と感じていた心に、少しずつ光を灯していきます。
最後に:あなたには、あなただけの輝きがある
他人の人生が眩しく見えるのは、あなたが真剣に生きている証でもあります。自分を責めすぎなくて大丈夫です。
「今は何も見えない」と感じる日々も、あなたの大切な時間の一部です。
その時間の中から、いつかきっと「自分だけの光」を見つけられると、私は信じています。
ゆっくりでいいのです。
焦らなくていいのです。
あなたがあなたを認めてあげることが、いちばんの回復の道になります。