- またゲームしてるの?勉強は?
- 成績が下がったらどうするの?
- ◯◯ちゃんはあんなに頑張ってるのに…
親の口から飛び出す何気ない言葉が、まるで刃物のように心を刺してくる。
そんなふうに感じている人は、実は少なくありません。
このページでは、「勉強しなさい」と言われ続けることで心にどんな影響があるのか、どうしてつらくなってしまうのか、そして少しでも楽になるためにできることを、やさしい言葉でお伝えしていきます。
「やらなきゃいけないのに、できない」自分を責めていませんか?
勉強をしなきゃいけないことは分かってる。でも、やる気が出ない。気が重くて体が動かない。
なのに「もっと頑張れ」「まだ甘い」と言われ続けると、「自分はダメだ」「親をガッカリさせてばかり」そんなふうに感じてしまうことがあります。
でもそれは、あなたの心が限界を感じているサイン。
やる気が出ないのは、意志が弱いせいじゃありません。
心が疲れていたら、誰だって前に進めなくなるんです。
勉強のプレッシャーが心を追い詰める理由
では、なぜ「勉強しなさい」という言葉が、これほどまでにつらく感じられるのでしょうか。
そこには、次のような心理的な背景が隠れています。
「期待に応えなきゃ」と思いすぎてしまう
親の言葉を「責められている」と感じる背景には、「親をがっかりさせたくない」「ちゃんと応えなきゃ」という思いがあるからです。
あなたはとてもまじめで、相手の気持ちを大切にできる人なんです。
だから、言葉のプレッシャーを強く受け取ってしまうのかもしれません。
比較されることで自信がなくなる
- 隣の◯◯ちゃんはもっとできるのに
- 昔の自分はもっと頑張ってた
そんなふうに他人と比べられると、自分だけが劣っているように感じてしまうものです。
でも、それはあくまで「親の基準」。
あなたのペースや個性を無視した評価では、心は育ちません。
安心できる「居場所」ではなくなることがある
本来、家庭は安心して過ごせる場所のはず。
でも「家にいる=勉強しなさいと言われる」という状態が続くと、自分の居場所がどこにもないような孤独を感じてしまうこともあります。
プレッシャーから心を守るには?すぐにできる3つの対処法
つらさを感じたときに、自分を守るためのヒントを3つご紹介します。
無理にすべてを変える必要はありません。できそうなものから試してみてください。
言葉にしなくても、「つらい」と認めていい
泣きたくなる、逃げたくなる、頭が真っ白になる…そんなときは、無理に前を向こうとしなくて大丈夫です。
まずは、「今つらいんだな」と自分の心を受け止めてあげてください。
気持ちを言葉にできなくても認めるだけで心は少しずつ落ち着いてきます。
信頼できる人に気持ちを打ち明ける
友達でも、先生でも、カウンセラーでも、「話しても大丈夫」と思える人に今の気持ちを伝えてみましょう。
「親にどう伝えればいいか分からない」というときは、第三者に間に入ってもらうこともひとつの方法です。
ひとりで抱えなくていい。誰かに話すことで、状況が少しずつ変わっていくこともあります。
自分の「できたことリスト」を書いてみる
「勉強ができない」ことで自己否定が強くなっているなら、逆に「できたこと」を意識的に見つけてあげる時間を作ってみましょう。
- 今日は10分だけでも机に向かった
- 提出物を1つ出せた
- 昨日より少し早く寝られた
小さな一歩の積み重ねが、自分への信頼を取り戻すきっかけになります。
親にどう伝える?「勉強しろがつらい」と感じたときの言葉のヒント
- 親に気持ちを伝えたいけど、うまく言えない
- 怒られそうで怖い
- どんなふうに言ったらちゃんと聞いてもらえるのか分からない
そんな思いを抱えている人は、本当にたくさんいます。
でも、自分のつらさを我慢し続けると、心の中でどんどん「しんどさ」が膨らんでしまいます。
ここでは、親に自分の気持ちを少しでも伝えやすくするための工夫や、伝えるときの具体的な言い方のヒントをいくつかご紹介します。
気持ちを「責める言葉」ではなく「自分の感情」で伝える
親に何かを伝えるときは、「あなたが悪い」ではなく、「自分はこう感じている」というふうに話すのがポイントです。
たとえばこんな言い方があります。
×「いつも怒ってばかりで嫌だ!」
→ 親は「怒られた」「否定された」と感じ、心を閉じてしまう場合が。
○「怒られると、自分が全然ダメな人間に思えてしんどい」
→ あなた自身の感じていることとして伝えると、親も「そう感じさせてしまっていたんだ」と気づきやすくなります。
これは「アイメッセージ」と呼ばれる伝え方で、カウンセリングでもよく使われる方法です。
タイミングを選ぶことも大事
気持ちを話すタイミングはとても大事です。
親がイライラしていたり、忙しそうだったり、兄弟の前などでは、話がうまく伝わらないこともあります。
なるべく落ち着いて話せそうな時間帯――たとえば食事のあと、寝る前、ドライブ中など、会話が自然にできる雰囲気のときを選んでみてください。
言葉で言えないなら、メモやLINEでもいい
直接口に出して伝えるのが難しいときは、メモや手紙、LINEなどの文章で伝えるのも立派な方法です。
たとえば、こんなふうに書いてみるのもいいでしょう。
例文①(手紙)
「お父さんお母さんへ。いつも心配してくれてありがとう。でも最近、”もっと勉強しなさい”と言われると、すごくプレッシャーになって、つらくなってしまいます。ちゃんとやらなきゃって思ってるけど、焦ると何もできなくなってしまいます。どうしたらうまく勉強できるか、一緒に考えてもらえたらうれしいです。」
例文②(LINE)
「ちょっと伝えたいことがあるんだけど…最近、”勉強しなさい”って言われると、逆に不安になって涙が出そうになる時がある。やる気がないわけじゃなくて、自分でもちゃんとしたいって思ってる。でも心が疲れてるかも。少し話せる時間もらえる?」
手紙やLINEの良いところは、相手も一度落ち着いて読んでから反応できることです。
すぐに返事がもらえなくても、あなたの気持ちはちゃんと届いています。
「話すのが苦手」と伝えてしまってもいい
勇気を出して話そうとしても、言葉に詰まってしまったり、涙が出てきたりすることもあります。
そんなときは、無理して全部うまく話そうとしなくて大丈夫です。
- うまく言えないけど、ちょっとだけ聞いてほしい
- 話すの苦手だけど、今の気持ちは伝えたい
そうやって、自分のペースで伝える姿勢こそ、本当に勇気のある行動です。
伝えても分かってもらえなかったときは?
時には、親がすぐに理解してくれなかったり、逆に怒られてしまうこともあるかもしれません。
それでも、自分の気持ちを伝えたことは大切な一歩です。
すぐに理解してもらえなくても、時間が経つうちに親の中であなたの言葉が残ることもあります。
それでもあまりにつらいときは、学校の先生やカウンセラー、外部の相談機関など、親以外の大人に頼ることも考えてください。
あなたの気持ちを大切に受け止めてくれる人は、必ずいます。
あなたの「話したい」は、あなたの心の強さ
「伝えたい」と思えたあなたは、もうすでに第一歩を踏み出しています。
勇気がいることだけど、あなたの気持ちには、誰かに伝える価値がちゃんとあります。
うまく言えなくても、途中で涙が出ても、それでも大丈夫。それは「つらいけど、生きようとしてる」っていう、心の証だから。
どうか、あなたの言葉を、あなた自身が一番信じてあげてくださいね。
最後に:あなたの価値は、成績だけでは決まらない
勉強ができても、できなくても、泣いてしまっても、今つらくても、あなたは、あなたのままで価値のある存在です。
プレッシャーを感じている時は、自分を責めがちになります。
でも、心がつらいときに一番大事なのは、「頑張ること」よりも「休むこと」です。どうか、今日もあなたのペースで呼吸をして、生きていてください。
そのままのあなたを、大切にしてあげてほしいと願っています。